本記事の内容
以下のチャートを見て、この後の株価の動きはどうなるでしょうか。上昇?下落?チャートは住友金属鉱山です。

移動平均線とローソク足の基礎知識
まず、移動平均線とローソク足について理解しておくことが必要です。
移動平均線とは
移動平均線は、ある期間の株価の平均値を線でつないだものです。株価が日々変動する中で、移動平均線はその変動を平滑化し、全体的なトレンドを見やすくする役割を持っています。
移動平均線には、短期(例:5日)、中期(例:20日)、長期(例:60日)の3種類があります。それぞれが示す期間によって、短期的なトレンドから長期的なトレンドまでを把握することが可能です。
- 5日移動平均線(短期):株価の短期的な動向を示します。
- 20日移動平均線(中期):中期的なトレンドを把握するために使用されます。
- 60日移動平均線(長期):長期的なトレンドの把握に役立ちます。
ローソク足とは
ローソク足は、株価の1日の動きを表すチャートの一種です。1本のローソク足で、その日の始値、終値、高値、安値を視覚的に示します。
- 陽線:終値が始値よりも高い場合、ローソク足は白や緑で表示されます。これは、その日1日の間に株価が上がったことを示します。
- 陰線:終値が始値よりも低い場合、ローソク足は黒や赤で表示されます。これは、その日1日の間に株価が下がったことを示します。
分析
移動平均線とロウソク足の動き
次に、住友金属鉱山の株価チャートを例に、移動平均線とローソク足を使ってどのように株価の動きを分析するかを見てみましょう。
住友金属鉱山のチャートでは、全ての移動平均線が下を向いているため、全体的には下落相場であることがわかります。
- 赤色の5日移動平均線は、長期間にわたって緑の20日移動平均線の下で推移していましたが、最近はこの20日移動平均線を上抜けました。この動きは、短期的な上昇の兆しを示している可能性があります。
- 青色の60日移動平均線は、株価のずっと上に位置しています。これは、長期的にはまだ下落傾向が続いていることを示唆しています。
直前には、5日移動平均線を割り込む場面もありましたが、ここで陽線が出たことは注目に値します。下落トレンドにおいて陽線が出るということは、下落圧力が弱まっている可能性があり、今後の動きに変化が生じるかもしれません。
全体の株価の流れ
このチャートを見ると、全体的には下落トレンドにあります。しかし、下落が続いた後、株価がしばらく安定していることから、底値に近づいている可能性も考えられます。
ここで重要なのは、今後この下落トレンドが継続するのか、それとも上昇トレンドに転換するのかを見極めることです。これは、今後のトレード戦略を立てる上で非常に重要なポイントです。
上昇の兆しがあれば買い、相場の弱さを感じたら、空売りの場面です。
それでは正解です

正解は「上昇」
現在のチャートの状況から、今回の正解は「上昇」です。陽線が出たことに加え、短期移動平均線(赤)が中期移動平均線(緑)を上抜けたことで、上昇トレンドへの転換の可能性が示唆されています。このような状況では、買いエントリーを検討することが適切でしょう。
ポイントと反対の動きをした時の対策
5日移動平均線と20日移動平均線を陰線で割り込んだ後、陽線が出た場面についてどのように考えればよいでしょうか。
長期の移動平均線は、下を向いていることから、陰線が出た時点で、再び下落が始まると考えるのが普通かもしれません。そして、下げやすい場面であるともいえます。
しかし、問題の場面では陽線が出ました。下げやすい場面なのにもかかわらず、陽線が出たということは、下落圧力が弱まってきたとも言えます。
以上のように分析をしつつ、翌日の陽線が出た時点で、買いエントリーすることができると思います。また、空売りを入れていた場合は、買戻しが必要な場面です。
ポイントは、赤の5日移動平均線が、緑の20日移動平均線を越えたというところです。この時点で、買いに入る人が増えているというわけです。
もし、相場が予想と反対に動いた場合の対策も重要です。たとえば、陽線が出た場面で買いエントリーをした場合、下落が再び始まったら早めに損切りを行うことが求められます。空売りをしている場合は、陽線が出た時点で買い戻しを検討するべきです。
移動平均線とローソク足を活用したトレード戦略
移動平均線とローソク足を組み合わせたトレードは、非常に効果的な方法です。しかし、単にチャートの動きを見るだけではなく、それをどのように活用するかが重要です。
エントリーとエグジットのタイミング
移動平均線のクロスやローソク足のパターンは、エントリーやエグジットのタイミングを見極める上で重要なサインとなります。
- ゴールデンクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を上抜けること。これは強い買いサインとされ、エントリーのタイミングとして利用されます。
- デッドクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を下抜けること。これは売りサインとされ、ポジションを閉じるタイミングや空売りのエントリーポイントとして使われます。
価格のサポートとレジスタンス
移動平均線は、価格のサポートラインやレジスタンスラインとして機能することがあります。
- サポートライン:価格が移動平均線に接近すると、そのラインがサポートとして機能し、価格がそれ以上下がらないことがよくあります。
- レジスタンスライン:逆に、価格が移動平均線に接近すると、そのラインがレジスタンスとして機能し、価格がそれ以上上がらないことがあります。
これらのラインを使って、エントリーやエグジットのタイミングをさらに精度高く決めることができます。
移動平均線とローソク足の組み合わせでより精度の高いトレードを
移動平均線とローソク足の組み合わせは、トレーダーにとって強力なツールです。これらをうまく活用することで、株価のトレンドをより正確に予測し、利益を上げるチャンスを増やすことができます。
しかし、相場には常にリスクが伴います。過信せず、常に柔軟な対応とリスク管理を心掛けることが成功への道です。チャートを綿密に分析し、冷静な判断を下すことで、トレードの成功率を高めていきましょう。
まとめ
移動平均線とローソク足の動きをよく観察することで、今後の株価の動きを予測することができます。移動平均線の交差や、ローソク足のパターンに注目し、適切なタイミングでエントリーやエグジットを行うことが、トレードで成功するためのカギとなります。
- 移動平均線とロウソク足の動きを綿密に確認し、今後の動きを予測しましょう
このように、株価チャートをしっかりと分析し、移動平均線とローソク足の動きを理解することで、より効果的な投資判断ができるようになります。トレードを行う際には、常に相場の動きを注意深く観察し、自分の戦略を磨いていきましょう。
